「おきなかったら、おきろーっていうの!」
祖母の死を告げた時、娘はそう言いました。
9月1日夜、祖母が永眠しました。
86歳でした。
私が面会に行った数時間後のことで、あわてて母が病院に向かったけれど最期には立ち会えませんでした。
亡くなった2時間後、久しぶりに帰ってきた祖母は安らかな顔をしていました。
頬なんてまだ赤らんでいて、眠っているようでした。
私はやっぱり顔を見ても亡くなったようには思えなくて。
だって、同じ日にしっかりと目を開いて笑って返事もしていたんですよ。
祖母が家に帰って来てからその後も、やっぱり悲しみに浸る間もなく訪問者の対応や葬式の打ち合わせに忙しくバタバタとしています。
葬式の段取りを決めるところから同席するのは初めてなのですが、それにしても亡くなってから葬儀屋と決めることが多すぎる(3時間かかるのは普通ですか?)。
そして納棺師のおねーちゃんは宝塚みたいでカッコよくて見惚れてしまいました。
納棺師でも死化粧とかするんだ〜(無知)。
昔の上司が葬儀屋で働いていたのですが、なんか同じニオイがするし、苦労してきた人が集まるのかなぁ。
と、葬儀屋の仕事ぶりを見ながらぼんやりと考えてしまいました。
こんな感じで私はまだ実感なく過ごしていますが、今日娘を会わせる時に向かう車の中で、ふと「この2人をもっと関わらせてあげたかったな」と、ちょっと切なくなりました。
たった2年間、娘の心には残るでしょうか。
そしてずっと「おっきいばーちゃん(と何故か呼ぶ)に会いたい」と言っていた娘にようやく会わせられる時が来て。
娘は家の中のものものしい雰囲気からいつもと違う何かを感じ取り静かになったのですが、奥に横たわっている、顔に布を被っている人が祖母であることを伝えると
「おっきぃばーちゃん、ねてるのー?」と言いながら笑顔でかけ寄って行きました。
布をはがし祖母の顔を見せると、娘は表情を失くし私にしがみついて泣きそうになりました。
「またあそんでくれるから」って、もう二度と言えなくなってしまったことが悲しくて、この瞬間だけは私は必死に涙を堪え
「もう起きないから、バイバイだよ」
と、まだ2歳の娘にハッキリと告げました。
娘は頷き、「おきろー!」とはもう言いませんでした。
帰り際に、「おっきいばーちゃん、バイバイ」と手を振っていました。
明日はお坊さんのところへ打ち合わせに行きます。
とにかく今は、足も手も口も止めずに動いていたいです。
止まってしまうと、悲しくなるから。