華-Hana-の躁鬱↑↓物語

またまたリニューアル!母だし労働者だし飼育者……なんだけど、生涯自分探しの旅Blog

あのゆりちゃんが

先日、隣町で買い物をする機会がありました。

私が小学校5年から高校入ってすぐの頃まで育った、たった5年間だけど地元感が強い町です。

 

近いところに住んでいるので色々な知人に会います。でも先日は意外な人に会ったのです。それが「ゆりちゃん」。

 

 

 

 

ゆりちゃんとは小学校5年で転校してからすぐに仲良くなった友達です。

 

ゆりちゃんの家は父親がコロコロ変わり異父兄妹が多く母親の不在が多い、地元では有名な一家でした。小学校高学年で1回、中学で2回苗字が変わったと思います。

 

 

ゆりちゃんはいつも笑っていました。よく下の子達の面倒を見ていて、天真爛漫、好奇心旺盛、破天荒…そんな性格。

だけどそれは全て悪い方に、です。

 

仲良くなった時から気付いていましたが、ゆりちゃんのアソビの興味の対象は全て悪いことばかりでした。不良になりたいとか「悪い事を自覚している」感覚ではなくて、本当にただの好奇心なのです。

 

 

ある日夕方5時を過ぎたので帰ろうと話すと、「え〜今からが遊ぶ時間だよ?今日楽しい話あるからさ、あそぼ?」て感じで。その楽しい話というのを聞くと、「援助交際、してみたくない?」(笑)

うちの親も放任でしたのでしばらく遊んでいたのですけど、とにかくエスカレートするんですよ。私には危険信号があったので、徐々にゆりちゃんと遊ぶ頻度は減らしていました。

 

 

でもそんなゆりちゃんは、一定期間だけ更生に近い生活をしていた時がありました。悪かったらしい義父が離れて次の義父に変わった6年生の頃です。

 

 

 

「すごく優しくて、いいお父さんなんだ!」

 

 

聞くと小学校最後の運動会に、初めて「お父さん」が応援に来てくれると言います。ゆりちゃんは好奇心のアソビが止まりました。

 

そして運動会当日。

 

 

 

 

 

お義父さんは、来ませんでした。それどころかゆりちゃんは先生に呼ばれて急に家に帰って行きました。

 

お義父さんはゆりちゃんへのお弁当を持って家を出たところで、暴力団から殺害されてしまったのです。

当時地元では有名なニュースになりました。

 

 

それから

 

 

ゆりちゃんの友人はすっかり似た境遇の子達で集まりました。集まってはいるけれど、まだ小学生なのでグループには色々な子が出入りして悪さをして…

 

こんな事が続き様子を知った保護者や先生達は、私らの代の中学3年間の教員を体育会系で固めました。結果として軍隊のような学校となってしまったので不良グループ皆来なくなっちゃったんですけどね。

 

本当にこれは、先生達が生徒の居場所なくしたんでしょ?ってぐらい。眉毛剃るだけで髪つかまれ引きずられ、何かというと体罰で、挙句放送室に何時間と閉じ込められたり。私らそういう時代の末端ですので、やっぱり他の同級生からもこの類はよく聞きます。

 

 

ゆりちゃんが他の不良と違うのは、見た目で判断しないところと面白さでした。実際私は中学まで分厚いメガネをかけていましたけど、ゆりちゃんだけは見た目を気にせずあそぼうとずっと誘ってくれていました。

 

そんな波瀾万丈なゆりちゃん。

 

 

 

偶然会った時には幼な子を抱えて、なんと福祉の仕事に就いているって言うじゃありませんか!(笑)あ、笑っちゃ失礼か。だって将来は詐欺師になりたいって言ってたんですよ。何がどうなったらこうなるの⁈ってビックリするじゃないですか。

 

 

でも小学6年からのグループとよく集まっている写真をSNSで見かけていたし、地元にいる感じもあったし、私だけがたまたま会えてなかったのかなと思います。

 

 

 

帰り際ゆりちゃんから

「今度中学の同窓会やるんだけど、よかったら来ない?メンバーは、〇〇グループと〜」

 

 

え?

中学3日と通ってないあんたらグループが、同窓会をやるんかい!(笑) 

それは…来る人いるのかな。

 

 

でも、あの時と全然変わってなくて元気そうで、何より昔から知っている人って障害とか私利私欲とか関係ないので嬉しいです。

 

 

 

「ねぇ、かなり太ったんじゃない?いい痩せ薬あるよ〜。」

 

 

嬉しい……はず(笑)

 

 

 

 

 

※個人情報の為名前も生い立ちも一部変えています